平成二九年十月一日をもちまして、横浜市立大学医学研究科、分子生物学分野の教授を拝命致しました。当教室は前教授の大野茂男先生が国内外において基礎研究をリードし、本学を牽引してきた研究室です。当研究室におきまして、主任教授として教育・研究に携わる機会を戴きまして、大変身の引き締まる思いです。
　私は基礎研究の中でも、転写とよばれる生命機能に着目して研究を行なって参りました。転写ではDNAからなる遺伝子の情報からRNAが合成されます。最近の研究では、このRNAが合成される転写速度の調節が破綻すると、さまざまな腫瘍性疾患が引き起こされることがわかって参りました。今後は、転写に関連するシグナル伝達やRNA合成などの細胞機能も明らかにし、これらの破綻が引き起こす疾患の解明を目指していきたいと考えております。